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今回は短距離走の局面分類と小学生50m走における要因の分析について記載していきます。

100mの局面分類

 100m走は、速度の変化を基にいくつかも局面に分類して考えることがあります。主には①加速曲面、②最大疾走局面、③減速局面の3つに分類することが多く、各局面からパフォーマンスの検討を行うのが一般的です。中でも最大疾走局面における疾走速度は、100m走のタイムと密接に関係していることが報告されています(阿江ら,1994)。そのため、最大疾走局面に関する研究が数多く行われています。

小学生の50m走におけるタイムに差が出る要因

 篠原ら(2016)の報告では、100m走同様に小学生の50m走を加速局面、最大疾走局面、減速局面に区分して検討した結果、男女共に学年間で最大疾走速度への到達時間には差は見られなかたことが報告されました。その他の研究においても約5秒前後で最大疾走速度へ到達することが報告されています。(加藤ら,2013.加賀谷,1978.横尾ら,1998)。また、最大疾走速度へ到達する距離についても1年生と高学年(5,6年生)の間に差は見られたものの、他の学年との間には差が見られなかったと報告しています。すなわちタイムに差が出る要因として考えられるのは、最大疾走速度または、減速局面での速度維持だと推察でき、これらのことから小学生の50m走においても最大疾走速度を高める必要があると考えています。

小学生の50m走におけるピッチとストライド

 さらに、篠原ら(2016)の報告では、ピッチとストライドについても検証を行っており、ピッチでは大きな差が見られなかったものの、ストライドにおいては、男女共に各学年、各局面において差が見られています。これらのことから、タイムが短縮した要因としては、ストライドが増加することにより最大疾走速度が高まり、タイムに差が出たのではないかと考えられます。高学年になるにつれて、身長や脚の長さ、筋肉も発達してくることも影響してくるため、トレーニングの結果、ストライドが伸びてタイムが短縮できたとは言えませんが、一つの参考としてストライドの変化を観察することも参考になるかもしれませんね。

<参考文献>

阿江通良・鈴木美沙緒・宮西智久・岡田英孝・平野敬靖 (1994) 世界一流スプリンターの100mレースパターンの分析-男子を中心に-.世界一流競技者の技術.第3回世界陸上選手権大会バイオメカニクス班報告書.日本陸上競技連盟強化本部バイオメカニクス班編.ベースボールマガジン社:東京, pp.14-28.

篠原康男,前田正登(2016)疾走速度変化からみた小学生の50m走における局面構成.体育学研究61巻2号:797-813

加賀谷照彦(1978)エネルギー需給関係からみたRunningの特性,体育の科学,28(1):28-33.

加藤彰浩・永原・杉本和那美・木越清信(2013)小学生の体育授業における短距離走の距離の検討-最大疾走速度到達距離および時間に着目して-.陸上競技研究,94:11-17

横尾尚史・山西哲郎(1998)スピードメーターによる50m疾走スピード曲線について-特に発育発達から見て-.群馬大学教育学部紀要 芸術・技術・体育・生活科学編,33:127-137.


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